日本とアメリカのマネージャーは、異なる文化的・組織的環境の中で働いており、彼らに求められる期待も同様に大きく異なります。
しかし、両国の最新の調査は、共通の課題を浮き彫りにしています。マネージャーは、自らも重い責任を担いながら、有能で協調性のあるチームを育成することが求められています。これらはどちらも簡単には両立できない、真剣な検討と歩み寄りを要する現実的な期待です。
私が気になるのは、マネージャーたちがこれをうまくこなすための十分なサポートを受けているかどうかという点です。私の調査によると、まだ道のりは長いようです。
私は現在、組織がマネジャーに何を期待しているのか、そしてマネジャー自身がどのような点に苦労しているのかについて調査を進めています。その結果、人材育成の重要性は認識されているものの、それを実践するために必要な具体的支援がマネジャーに提供されていないというギャップが明らかになりました。詳しく見ていきましょう。
日本の組織がマネージャーに求めるもの
リクルートマネジメントソリューションズが2025年に実施した調査では、日本の人事担当者と中間管理職を対象に実態を調べています。
両グループとも70%以上が、中間管理職の現状に懸念を抱いていると回答しました。将来の管理職候補の不足は共通の懸念事項であり、マネージャー自身は特に増え続ける業務負担を強く意識していました。
中でも最も示唆に富む結果は、部下の育成に関するものでした。
人事担当者は、部下の育成をマネージャーの最も重要な責務として位置づけました。マネージャーもこれに同意しています。しかし同時に、育成こそが自分たちの仕事の中で最も難しい部分だとも答えています。
その他に難しいと感じている領域として、業務プロセスの改善やチームワークの強化が挙げられました。マネージャーは、個人を育成すると同時に、チームがより効果的に機能する仕組みを作ることも求められているのです。
企業側の期待も変化し続けています。回答者の60%以上が、自社はチームがともに考え、より自律的に価値を生み出す方向へ移行することを望んでいると答えました。そして約半数が、すでにそうした運営方法を試みているといいます。
これは、単に業務を割り振り進捗を管理するだけでは実現できません。マネージャーは、いつ指示を出し、いつチームを巻き込み、いつ権限を委譲するかを判断する必要があります。さらに、指示を待たずとも社員同士が情報を共有し、互いに支え合える環境を作ることも求められます。
アメリカのマネージャーが直面する、形を変えた同じ課題
ギャラップの最新調査からは、アメリカにおけるマネージャーの役割が拡大している様子がうかがえます。
アメリカのマネージャー1人あたりの平均部下数は、2024年の10.9人から2025年には12.1人に増加しました。同時に、97%のマネージャーが、部下を率いる役割に加えて、自ら実務を担う責任も持っていると回答しています。中央値で見ると、マネージャーは業務時間の40%をこの個人としての実務に費やしていました。
これは難しいバランスを生み出します。マネージャーは、自らの成果を出しながら、フィードバックを与え、社員をコーチングし、チーム全体の方向性をそろえることが求められているのです。
ギャラップの調査では、意味のある週次のフィードバックが従業員エンゲージメントに大きな効果をもたらすことがわかっています。ただし、そのようなフィードバックを行うには、かなりの時間と高いコミュニケーション能力が必要です。
Perceptyxによる別の米国調査では、マネージャーの81%が正式なマネジメント研修を受けていることが明らかになりました。それでも約60%が継続的なコーチングをさらに必要だと回答し、24%はコーチングを一切受けていませんでした。
コーチングを受けたマネージャーは、より高いエンゲージメントを感じ、ストレスや業務負担をうまく管理できる傾向にありました。
これらの結果は別々の調査によるものであり、日本とアメリカを統計的に直接比較できるものではありません。しかし両者を合わせて見ると、共通する摩擦が浮かび上がります。組織は、マネージャーが部下の育成において重要な役割を果たすことを期待している一方で、マネージャー自身はその役割を実際に果たすための実務的な負担に苦しみ続けているのです。
サポートのギャップはどこに現れるのか
日本の調査によると、最も一般的なサポートの形、すなわち上司や人事による個別のコーチングや、研修・eラーニングへのアクセスは、いずれも調査対象企業の約3分の1でしか提供されていませんでした。
人事担当者に今後検討している追加的な支援策を尋ねたところ、最も多かった回答は「マネジメント業務の負担軽減」でした。
ここで一つの疑問が生じます。人材育成がマネジャーの中核的な責務の一つだとすれば、すでに業務で手一杯の状況において、どのように実践していけばよいのでしょうか。
正式な研修は、価値ある考え方やツールを紹介することができます。しかし本当に難しいのは、マネージャーが自分のチームに戻り、それを実践しようとするときです。研修講師として、現実の時間的・業務的な制約に直面した途端、どれほど多くの研修内容が棚上げにされてしまうかを、私自身も痛感してきました。
本当にリスクを伴う業務を、どうやって権限委譲すればよいのか。自信を育んでいる最中の部下に、どの程度の指示を与えるべきか。会議では同意していたのに、その後行動が伴わない社員にはどう対応すればよいのか。チーム内の信頼を保ちながら、率直な反対意見を引き出すにはどうすればよいのか。
こうした判断に、唯一の正解が用意されていることはほとんどありません。それは部下個人、任される業務内容、マネージャーとチーム内の人間関係、そしてより広いコミュニケーション環境によって左右されます。
異文化混成のチームでは、さらに複雑な層が加わります。当事者意識を育てるつもりのリーダーシップ行動が、指導不足だと受け取られてしまうことがあります。議論を促そうとしても、社員がまだ率直に異議を唱えることに抵抗を感じていれば、うまくいきません。マネージャーは責任を明確に委譲したつもりでも、部下自身はどこまでの権限を与えられているのか、確信が持てないままということもあります。
マネージャーが本当に必要としているサポートとは
調査からは、多くのマネージャーが自社の期待を理解していることがうかがえます。人材を育成し、効果的に権限委譲を行い、より強固な協働関係を築くべきだということは、彼らも分かっているのです。
しかし、原則として何をすべきかを知っていることが、それを実行に移す難しさを軽減してくれるとは限りません。
マネージャーには、自分のリーダーシップがどのように受け止められているかを振り返り、難しい対話を実践し、指示と裁量のバランスについてより意図的な選択をするための機会が必要です。また、チームとのコミュニケーションや協働について話し合うための、共通の言語も必要としています。
ここでは、HRBP(人事ビジネスパートナー)も重要な役割を担います。問われるべきは、マネジメント研修が用意されているかどうかだけではありません。研修の後に何が起こるか、つまり、学んだことを実際に活かすためにマネージャーがどのようなサポートを必要としているか、そして研修内容が実務で本当に機能するのかという疑念をどう乗り越えていくか、という点も重要です。
マネージャーには、こうした状況をじっくり考え、解決していける場があるでしょうか。チーム内のコミュニケーションがなぜうまくいかなくなっているのか、自ら見極めることができるでしょうか。部下の自信や当事者意識、成長を左右する日々の判断について、必要なサポートを受けられているでしょうか。
日本とアメリカのマネージャーが置かれている期待は異なるかもしれません。しかし、どちらも自らの重い業務を抱えながら、有能なチームを築く力をさらに高めることを求められている点では同じです。
組織は、マネージャーに何を期待するかについて、これまで以上に明確に語るようになりました。次に問われるべきは、その期待を支える体制もまた、同じくらい明確になっているかどうかです。
出典
リクルートマネジメントソリューションズ、 マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査(2025) 。
ギャラップ、 Span of Control: What's the Optimal Team Size for Managers?、2026年1月
Perceptyx、 How to Build a Better Boss: What Leaders and Their Teams Need Now to Thrive、2024年7月