Leading

グローバルマネジャーがコンセンサス形成から学べること

2026/6/12  ·  Timothy

日本のビジネス文化において、外国人マネジャーがしばしば戸惑いを感じる点のひとつが、意思決定に至るまでのコンセンサス形成に費やされる時間の長さです。

より直接的なアプローチに慣れたマネジャーにとって、このプロセスは時として遅く感じられることがあります。「なぜ単純に決断して前に進まないのか」と思うこともあるでしょう。

日本で30年以上働いてきた経験を通じ、私はコンセンサス形成には単なる合意形成を超えた目的があると感じるようになりました。適切に活用すれば、賛同を得たり、実行リスクを低減したり、推進力を高めたりするための、強力なリーダーシップツールになり得ます。

このことを改めて実感したのは、あるグローバル企業でビジョン・ミッション・コアバリューを再定義するプロジェクトに関わっていた頃のことです。

その会社は、本社で新たなステートメントを作成して各地域オフィスに発表するのではなく、海外拠点のリーダーたちを巻き込むために多くの時間とリソースを投資しました。本社からチームが各地域オフィスに赴き、現地のリーダーシップチームとワークショップを開催して、新しいビジョン・ミッション・バリューが何を体現すべきかについて意見を集め、議論を重ねました。

また、日本のリーダーシップチームが、提案されたコアバリューのひとつの表現について、相当な時間をかけて議論していたことも記憶に残っています。正確な言葉は覚えていませんが、その議論の中心にあったのは、そのメッセージが日本においてどのように受け取られるかという点でした。日本の文脈では伝わりにくいのではないかという懸念があり、意図した意味が正しく伝わるよう、調整が必要だという意見が出ていました。

今振り返ると、本社がこのイニシアチブに対するローカルオーナーシップを生み出していたことは、実に見事な取り組みだったと思います。最終版が展開される頃には、リーダーたちはその背景にある考え方をしっかりと理解し、自信を持って自分のチームに説明できる状態になっていました。

これが、長年かけて私の中に根付いた気づきです。

第一に、人は自分が関わって作ったものを支持しやすいということ。地域のリーダーをプロセスに巻き込むことで、展開が始まるずっと前から、会社はオーナーシップを生み出していました。

第二に、コンセンサス形成は実行リスクの低減につながるということ。コアバリューの表現をめぐる議論から、本社では見えていなかった課題が浮かび上がりました。それは、最終的な展開の前に修正が必要なほど重要なものでした。

第三に、最も速い意思決定が、最も速く結果につながるとは限らないということ。コンセンサス形成には往々にして事前の時間投資が必要ですが、その投資は実行と定着の段階で大きな恩恵をもたらすことがあります。

グローバルリーダーとして、私たちはいかに素早く意思決定できるかに目を向けがちです。しかし日本でのコンセンサス形成の経験は、私に別の問いを立てることを促してくれました。

いかに素早く、確実に実行できるか。

次の重要なイニシアチブを考える際、以下の問いを自分に投げかけてみてください。

  • この変化を実行する責任を担うのは誰か?
  • その成功に欠かせないサポートは誰から得られるか?
  • より早い段階でプロセスに巻き込むことで、成果を高められる人は誰か?

どのような新しいイニシアチブであれ、その展開には変化が伴います。そして変化は、文化を問わず、時として大きなプレッシャーをもたらすものです。コンセンサス形成の重要な要素は、ステークホルダーをプロセスの早い段階から巻き込み、実行が始まる前にオーナーシップを生み出すことにあります。

グローバルチームのリーダーにとって、これが最も大切な教訓かもしれません。コンセンサス形成は、単なる日本のビジネス慣行ではありません。賛同を高め、摩擦を減らし、ロールアウトを成功に導く可能性を高める、リーダーシップのツールなのです。

記事を読んでくださりありがとうございます。このような記事をもっと読みたい方は こちらへ.

← Back to All Articles