クライアントの依頼: 会社を「特別な存在」にするミッションステートメントを作成してほしい。
背景: 世界的に有名なブランドが、日本で初めて自社事業を立ち上げることになりました。リーダーシップチームは、自社のブランドの本質や、この市場にかける想いを反映し、社員や顧客の心に響くミッションステートメントを必要としていた。
私の課題: 組織の目的を明確にし、会社のビジョンに向かって日々の行動を導くようなミッション・ステートメントのワークショップを、限られたスケジュールの中で進行させること。
これまでのL&Dキャリアを通じて、ビジョン、ミッション、バリュー策定のプロセスにたびたび関わってきました。キャリア初期には、入社1年後に会社が買収され、新しいビジョンとバリューを再構築する大規模な変革に参加しました。さらに後年、小売業界で人事に採用していた際には、グローバル本社が各国のリーダーからの意見を取り入れて新たなビジョンを構築するプロジェクトにも参加しました。
その後は、自分自身が主導するワークショップでも同様の手法を活用しています。特に新卒研修では、参加者が自分たちの目標や想いをもとにビジョンを作り上げるプロセスを通して、仲間意識と主体性を高める支援を行ってきました。
今回のクライアント案件でも、私の定番アプローチである「段階的な構成」を活用し、そこに日本ならではの要素を加えてワークショップを設計しました。
第一ステップ:目的の明確化
セッションの冒頭では、そもそもなぜミッションステートメントが重要なのか、どのような役割を果たすのかを全員で確認しました。
その後、国内外の著名企業(同業界含む)のミッションステートメントを分析しました。語調、焦点、誰に向けて発信しているのかなどを掘り下げ、参加者自身が「自社はどんなことを伝えたいのか」を考えるきっかけとしました。
次に、最近改訂されたビジョン、ブランドバリュー、そしてコーポレートアイデンティティについて振り返りました。どのような言葉遣いが自然に感じられたでしょうか?リーダーシップチームに真に響いた核となる考え方は何でしょうか?
この土台を整えたうえで、次の段階へと進みました。
組織の「生きがい」を探る
組織の存在意義を考えるために、私は「生きがい」という日本独自の概念を導入しました。長寿や目的ある人生に繋がるとされるこの言葉は、日本で事業を開始するグローバル企業にとって、まさにふさわしいフレームワークだと感じたのです。
本来は個人の「生きがい」を表す言葉ですが、今回のワークショップでは、「あなたの会社の生きがいは何か?」という問いに置き換えて活用しました。
このセクションのために私がアレンジした演習を通して、チームはこれまでおそらく表現していなかった洞察を発見しました。生きがいフレームワークに基づいたこのセクションの実践を通して、参加者が所属組織のリーダーシップチーム間で共通の目的意識を育む様子を目の当たりにすることができました。彼らが会社のビジョンとブランドに根ざした生きがいステートメントを作成していく様子を見るのは、私にとって大きな励みとなりました。
ミッションステートメントの作成
ビジョン、バリュー、ブランド、そして「生きがい」の土台ができたところで、いよいよミッションステートメントの作成に移りました。
各チームが発表したドラフトは、いずれも思慮深く、誠実で、ワークショップ前半の対話をしっかり反映したものでした。チームごとに異なる表現を用いながらも、全体として統一感があり、内容に一貫性が見られました。
終盤にはゼネラルマネージャーが合流し、鋭くも前向きなフィードバックを提供して頂きました。その言葉がチームの自信につながりました。
その後、会場のエネルギーはとても高まっていました。L&D担当者からは、非常に忙しいスケジュールにもかかわらず、リーダーたちが終始高い集中力を保っていたことが印象的だったという声がありました。目的を探る手段として「生きがい」のフレームワークを使ったことは、リーダーたちにとって意味のある体験となり、グループ全体のミッションの方向性をそろえるうえでも効果的でした。
今後はこのミッションを、リーダーたちが自らの言葉でチームに伝え、組織全体で浸透させていく段階に入ります。自分たちで築いたミッションだからこそ、実感をもって広めていけると感じています。
最後に
価値観の再確認から始まり、自社の本質や目的の深掘りを経て、ミッションを導き出すという段階的・内省的アプローチは、やはり効果的でした。
もしあなたの会社が新しい市場に参入したり、変革を迫られているのなら、あるいはエンゲージメントが思うように向上していないのなら、今こそミッション・ステートメントを刷新する時かもしれません。私は、貴社のリーダー、チーム、そして顧客を真に惹きつけるミッション・ステートメントで、貴社の目的を再発見するために、貴社のリーダーシップ・チームを喜んでサポートいたします。 こちらまでご連絡ください。.

